「伝わるコンテンツ」を作るために私が捨てた、思い込み。

コンテンツデザイン部 M.S

異業種から飛び込んだデザイン制作の世界

2年前まで、私は建築業界のコールセンターで受発注業務に従事していました。デザインとは全く縁のない世界です。当時の私は、デザインといえば「デザイナーのセンス」や「見た目のおしゃれさ」がすべてだと思い込んでいました。

しかし、実務を通して気づいたのは、制作ディレクターの役割は単なる進行管理ではなく、クライアントとユーザーをつなぐ「翻訳家」であるべきだということです。

ここでは、「伝わるコンテンツ」について制作の観点からお話ししたいと思います。

「かっこいいデザイン=正解」という思い込みを捨てるまで

初めて担当した案件は、一枚のチラシ制作でした。そこで、最初に行うべき作業は、センスを振るうことではなく「情報の整理」でした。

クライアントの目的に合わせて情報を整理し、デザインの4原則(整列・近接・反復・対比)に沿って優先順位をつけていく。確かに、ブランドガイドに沿ったおしゃれなデザインは大切です。しかし、それ以上に重要なのは「読む人に情報が正しく伝わるか」「読みやすいか」、つまり「伝わるコンテンツ」であるかどうかという点でした。

すなわち、「おしゃれさ」はあくまで手段であり、目的ではありません。見た目だけにこだわったデザインは、必ずしも成果に繋がらないということを痛感したのです。

また、クライアントの業種は多岐にわたり、私自身に知見のない分野も多くあります。しかし、それは弱みではなく強みになります。

異業種出身だからこそ、専門用語を「初めて聞く人の視点」で噛み砕き、ユーザーに届く言葉へと翻訳することができるからです。なまずはこの作業が「伝わるコンテンツ」への第一歩となります。

「伝わるコンテンツ」のために、実務で徹底している「3つの確認」

「伝わるコンテンツ」を作るために、私が実務で常に意識している3つのポイントがあります。

①「誰に」届けるかを、具体的に想像する

まずは「このデザインを最初に見る人は誰か」を徹底的にヒアリングします。専門知識を持っている人なのか、全くの初心者なのか。年齢層はどのくらいか。

この「ペルソナ(ターゲット像)」が明確になれば、自ずと構成や文字の大きさといったデザインの枠組みが決まります。

ターゲットがズレてしまうと、どれほど美しいデザインも無意味になってしまうからです。

②「情報に優先順位をつける」勇気を持つ

文字や写真が隙間なく詰め込まれたチラシやWebサイトを想像してみてください。情報が多すぎると、人の目は滑ってしまい、結局何も記憶に残りません。

ディレクターとして大切なのは、情報を精査し、あえて「削る提案」をすることです。本当に伝えたい一点を際立たせる勇気が、コンテンツの質を高めます。

③アウトプットの「出口(活用シーン)」を常に意識する

LP(ランディングページ)ならスマホでどう見えるか、パンフレットならどのタイミングで手渡されるか。現場の利用シーンを具体的にイメージして設計します。

さらに、その情報を見たユーザーに「次にどんなアクションをしてほしいか」というゴールを常に意識し、逆算してコンテンツを配置していきます。

デザイナーとの連携で学んだ「伝わるコンテンツ」難しさ

ディレクターがクライアントの意図を正確に汲み取れていないと、デザイナーから全く方向性の違う案が上がってきてしまいます。その結果、大幅なやり直しが発生し、チームに負担をかけてしまいます。

したがって、的確な指示出しやフィードバック(FB)こそが、ディレクターが「翻訳家」として真価を発揮する瞬間です。単に「イメージと違う」と伝えるのではなく、なぜその修正が必要なのか、背景にある「意図」を言語化して共有しなければなりません。

このコミュニケーションの質が、最終的なクリエイティブのクオリティを大きく左右します。

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3年目を迎える今、目指していること

3年目を迎える今、私は「ただ作るだけの人」にはなりたくないと考えています。 お客様のビジネスを深く理解し、悩みを汲み取り、デザインの力で課題を解決していく。そんな「伴走するパートナー」でありたいと思っています。

これからも専門知識を深めながら、異業種出身だからこその「ユーザー目線」という初心を忘れず、ひとつひとつのコンテンツに真摯に向き合っていきたいと思います。

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